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梅毒Syphilis
梅毒
梅毒とは
梅毒とは「梅毒トレポネーマ(Treponema
pallidum)」という細菌による性感染症で、皮膚や粘膜の小さな傷から体内に入り込むことにより感染します。保菌者との性行為(セックス、オーラルセックス、アナルセックス)、キスなど、粘膜接触することにより感染し、やがて血行性・リンパ行性に散布され、全身の各所に様々な症状を引き起こします。
梅毒は非常に強い感染力を持っており、直接的な接触以外にも箸やコップの使いまわしでも感染する恐れがあります。
感染早期に抗生物質を正しく使えば治りやすい病気ですが、放置したり治療が遅れると脳や神経に重大な障害が残り、時には死にいたることもあります。
症状と感染部位
梅毒に感染すると、感染から1〜3ヶ月の間に感染部位に痛みのないしこりができることがあります。3ヶ月を過ぎたあたりから、今度は手のひら、足の裏、全身に赤褐色の丘疹(バラ疹)が出現しますが、これらの症状は必ずしも現れるわけではなく、感染していても無症状だったり、症状が軽くて病気であることを自覚していない人も少なくなく、たまたま受けた血液検査で梅毒の陽性反応が出て感染がわかることもあります。
第1期 梅毒(感染から1〜3ヶ月)
- 性器や口の中に、小豆や指先ほどの大きさのしこりができる
- 足の付け根にあるリンパ節が腫れる
- 梅毒菌が入った場所(唇や陰部など)に丘疹、びらん、潰瘍ができることがある
※放置すると自然に消えて潜伏梅毒に移行します。
第2期 梅毒(感染から1〜3ヶ月後)
- 痛みやかゆみを伴わない、赤い発疹が全身にできる(バラ疹)
※発疹は出たり消えたりしますが完治したわけではありません。
第3期 梅毒(感染から1年以上経過)
- 皮膚や筋肉、骨などに柔らかいゴム腫という腫瘍ができる
- 脳や脊髄の動脈に炎症が起き、頭痛、めまい、不眠症、視野がかすむことがある
- 精神障害や認知症に似た症状が出ることがある
- 大動脈瘤が生じて気管を圧迫し、呼吸困難、せき、声がれが生じることがある
放置しておくとどうなる?
梅毒は自然治癒しないため、少しでも違和感を感じたら早めの受診をおすすめします。
梅毒に感染したまま放置しておくと、血行性・リンパ行性に散布され、全身の各所に様々な症状を引き起こします。放置したり治療が遅れると脳や神経に重大な障害が残り、時には死にいたることもあります。
また、梅毒患者のその他の感染症の合併が多いため、他の血液検査とセットで検査することもおすすめです。
感染ルートと潜伏期間
梅毒は保菌者との性行為(セックス、オーラルセックス、アナルセックス)、キスなど、粘膜接触することにより感染します。
梅毒は非常に強い感染力を持っており、性行為による感染だけではなく、直接的な接触以外にも箸やコップの使いまわしでも感染する恐れがあります。
梅毒の潜伏期間は3~6週間ほどで、潜伏期間を経た後に症状が出始めます。(無症状の方もおられます)
検査方法と検査ができる時期
検査方法
採血にて実施(TP法/RPR法)
TP法過去に梅毒にかかったことがあるかどうかを調べる検査です。
RPR法現在の梅毒の活動性を調べる検査です。
※料金表は横スクロールでご覧になれます
検査方法 | 対象者 | 結果が出る までの時間 |
保険診療金額 (税込) |
自費診療金額 (税込) |
---|---|---|---|---|
TP法 | 梅毒の既往歴がない方で、感染機会から2ヶ月経過している方。 | 翌日 | 約900円 | 約2,000円 |
TP法 <迅速検査> | 即日 | – | 2,500円 | |
RPR法 |
梅毒の既往歴がある方で、感染機会から4週間以上経過している方。 梅毒の治療中の方で、内服終了後から4週間以上経過している方。 |
翌日 | 約800円 | 約2,000円 |
RPR法 <迅速検査> | 翌日 | ー | 2,500円 | |
TP法・RPR法 | 梅毒の既往歴がない方で、感染機会から4週間以上2ヶ月未満の方。 | 翌日 | 約1,700円 | 約4,000円 |
TP法・RPR法 <迅速検査> | 翌日 | ー | 5,000円 |
治療方法・治療後の経過・
治癒の判定
治療方法
抗生物質内服・筋肉注射
※料金表は横スクロールでご覧になれます
筋肉注射 | 内服 | |
---|---|---|
投与方法 | でん部に注射 | 1日3回(朝昼晩)内服 |
投与期間 | 1期と2期は1回、 潜伏期間不明や妊婦の場合は3回 |
1期と2期は14日間、 3期や潜伏期間不明は28日間内服 |
副作用 | 治療開始後24時間以内に 発熱、悪寒などが出現することがある。 |
治療開始7〜10日後に 薬疹が出現することがある |
治療後の経過・治癒の判定
梅毒が治ったかの治療効果判定を、治療開始から4週間後に受けるようにしてください。
予防方法
梅毒の予防接種はありません。
また、感染後に治療をして一度治っても、免疫を獲得しないので再度感染するため予防が重要です。
コンドームの使用
コンドームにより粘膜接触を回避できるため、性感染症のすべてを予防することはできませんが、コンドームの使用は感染リスクを低下させます。性行為だけでなく、性交類似行為も含む性的接触時にはコンドームを必ず使用することで感染を予防できます。
不特定の性交渉を行わない
梅毒は感染力が大変強く、キスでも感染する可能性があるため、不特定多数の人との性交渉は梅毒の感染の危険性を高めます。
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